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絶滅危惧種

絶滅とは、一つの種が絶えること、その動物や植物と二度と会えなくなること。
絶滅危惧種とは、何も対策をこうじなければ、近い未来に絶滅する種のこと。
さまざまな生き物が複雑に関係しあって生きています。これを「生態系」と呼びます。生態系は、絶妙なバランスの上で成り立っているため、1つの種が消えると、その種に頼っていた生き物も子孫を残せず、絶滅してしまうかもしれません。絶滅の影響がどの程度あり、この先に何が起こるのか誰にも分かりませんが、その中に、食料や薬となる貴重な資源もふくまれる可能性があります。ヒトも生態系の中にいることを忘れてはいけません。
これまでも、動物では、ジャイアントモア(1,400年代)、クアッガ(1883年)、リョコウバト(1914年)、フクロオオカミ(1936年)などが、植物では、シルフィルム(紀元1世紀頃)など、多くの種が絶滅してしまいました。 日本でも、動物では、ニホンオオカミ(1905年)、ニホンカワウソ(1979年)、ニホンアシカ(1975年)などが、植物では、コウヨウザンカズラ、タカネハナワラビ、ソロハギなどが絶滅したといわれています。 100年前は、1年に1種絶滅していたものが、現在は、1年に40,000種絶滅しているともいわれています。
近年における主な絶滅の原因は、開発や環境汚染、乱獲・密猟、外来種の移入、気候変動などで、そのほとんどに人間が関わっています。
絶滅(EX)
疑いなく最後の1個体が死亡した種
野生絶滅(EW)
栽培、飼育下、あるいは過去の分布域の明らかに外側で野生化した個体群のみで生存していることが知られている種
深刻な危機(CR)絶滅危惧IA類
野生で極度に高い絶滅のリスクに直面していると考えられる種
危機(EN)絶滅危惧IB類
野生で非常に高い絶滅のリスクに直面していると考えられる種
危急(VU)絶滅危惧Ⅱ類
野生で高い絶滅のリスクに直面していると考えられる種
準絶滅危惧(NT)
近い将来、絶滅危惧のカテゴリーに合致する、あるいはすると考えられる種
低懸念(LC)
絶滅危惧のいずれの要件も満たしていない種
データ不足(DD)
十分な情報がないため、絶滅のリスクを直接的にも間接的にも評価できない種

東山動植物園で人気の動植物たちも、多くが絶滅危惧種です。
【CR】に分類される基準の一つに、「10年間あるいは3世代(どちらか長い方で,最長100年まで)間に絶滅する確率が50%以上の種。」との定めがあります。動物では、ニシゴリラ、スマトラトラ、クロサイなどが、植物ではキンシャチ(サボテン)、ウオレマイパインなどがCRになります。

【EN】に分類される基準の一つに、「20年間もしくは5世代(どちらか長い方で,最長100年まで)間に絶滅する確率が20%以上の種。」との定めがあります。動物では、アジアゾウ、キタイワトビペンギン、アミメキリンなどが、植物ではオオウツボカズラ、ヒロハザミアなどがENになります。

【VU】に分類される基準の一つに、「今後100年間に絶滅する確率が10%以上の種。」との定めがあります。動物では、コアラ、ライオン、コツメカワウソ、ユキヒョウなどが、植物ではユーフォルビアのマリシテンなどがVUになります。

国際協定・条約

絶滅を防ぐ対策として国同士の約束があります。

◆ ワシントン条約
絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約
  • 野生動植物の一定の種の個体について国際取引を規制
  • 野生動植物の一定の種の毛皮や牙などについて国際取引を規制
◆ 生物多様性条約
生物の多様性に関する条約
  • 生物多様性の保全
  • 生物多様性の構成要素の持続可能な利用
  • 遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分
◆ ラムサール条約
特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約
  • 湿地及びそこに生息・生育する動植物の保全
  • 湿地の適正な利用
◆ 世界植物保全戦略
地球規模の植物の保全のための戦略(全部で16の目標)
  • 既知植物のリスト作成
  • 保全状況の評価
  • 生息域内保全
  • 外来種の管理
  • 教育
  • その他
国内法

国内での約束もあります

◆ 種の保存法
絶滅のおそれのある動植物の種の保存に関する法律
  • 絶滅のおそれのある動植物の個体の取引規制
  • 絶滅のおそれのある動植物の毛皮や牙の取引規制
  • 生息地保護
  • 保護増殖
◆ 文化財保護法
  • 特別天然記念物指定(オオサンショウウオ、ライチョウなど)
  • 天然記念物指定(イヌワシ、ツシマヤマネコ、名古屋城のカヤノキなど)
◆ 鳥獣保護及び狩猟ニ関スル法律
  • 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化
  • 生物の多様性の確保
◆ 外来生物法
特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律
  • 特定外来生物による生態系、人の身体、農林水産業への被害の防止
  • 生物多様性の確保
◆ 自然環境保全法
自然環境を守る為の法律
  • 生物の多様性の確保その他の自然環境の適切な保全
動物園で飼育している469種の動物のうち122種が絶滅危惧種になります。
植物園で栽培している6,754種の植物のうち126種が国の絶滅危惧種になります。
(令和元年12月現在)
(1) 環境省保護増殖事業
◆ ツシマヤマネコ
  • 平成23年度1頭導入
  • 平成26年度繁殖施設
  • 平成27年度3頭導入
  • 平成28年度5月初繁殖(生後ほどなく死亡)
◆イタセンパラ
  • 平成23年度導入
  • 平成25年度初繁殖
(2) 希少野生動植物種の保護に関する連携協定
愛知県が条例に基づいて、動物7種、植物4種を指定希少野生動植物種として指定。愛知県内に生息生育する動植物を、生息域外保全に取り組んでいくための連携協定を東山動植物園と愛知県で締結し保全に取り組んでいます。
(3) メダカ繁殖事業
80年前に平和公園内で捕獲した系統を継代繁殖(名古屋メダカ)
メダカ(ミナミメダカ)は、農薬や生活排水により水質が悪化、田んぼの管理方法の変化、外来魚の侵入などにより絶滅の危機に瀕しています。
(4) メダカの新種発見(琉球大学熱帯生物圏研究センターとの共同研究による成果)
平成26年にインドネシア、スラウェシ島ティウ湖に生息するティウメダカを発見。
平成30年にインドネシア、スラウェシ島ドピンドピン川に生息するドピンドピンメダカを発見。
(5) オガサワラグワ里親計画に参加
小笠原諸島だけに生育するクワ属の樹木、絶滅危惧種「オガサワラグワ」の苗木を分散保存をおこなうため里親として受入れ、保存に努めています。
2019年に名古屋市科学館で開催の「絶滅動物研究所」で展示されていた、ジャイアントモアの等身大模型(全長約3メートル)が、動物会館内に常設展示されています。ジャイアントモアはかつてニュージーランドに生息していた巨鳥で、乱獲などにより15世紀には絶滅したといわれています。
東山動植物園アメリカゾーンでくらす動物達の一つのテーマとして、「絶滅の危機から復活した動物たち」があります。人々が意識や行動を変えることで、救うこともできます。
東海の植物保存園は、2002年から2005年までの4年間をかけ、UFJ環境財団の寄付を受けて整備されました。この区域の保存対象植物は、東海地方の固有種であるシデコブシ、マメナシ、ヒトツバタゴ、ハナノキ、サクラバハンノキなどの湧水湿地に育つ樹木のほか、草本ではウンヌケ、シュンラン、ショウジョウバカマ、ヒメカンアオイ、ヒメガマなどです。これらのほとんどが絶滅危惧種、準絶滅危惧種に指定されています。
2019年9月から続いたオーストラリアの干ばつによる森林火災は、年をまたいでコアラ、カモノハシ、ワラビー、ハリモグラ、コウモリ、カエルなど多くの動物に被害をあたえました。タロンガ動物園がこの緊急事態に対して被災動物の収容や治療、リハビリテーション等に人的、物的、技術的支援を行っていたことから、東山動植物園も呼応して、2020年1月24日から3月31日までの間、来園者をはじめ各方面に金銭的支援への協力をお願いし、タロンガ動物園が開設した基金に8,341,880円を送りました。

東山動植物園では、絶滅危惧種に関する啓発ポスターを制作しています

  • ごみを減らすこと、節電や節水について考えてみる。
  • まだ食べられる食品が捨てられてしまっていることについて考えてみる。
  • 珍しい野生動物をペットとして飼うことの影響について考えてみる。
  • 外来種について考えてみる。
  • 動植物をまもる活動に協力する、環境に優しい商品を買うことについて考えてみる。
  • いろいろな生き物が生きているコトを知るために、まずは動植物に会ってみる。
東山動植物園の公式サイトへ
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